これらのポストは著者の意見であり、WHOやGCP.Networkの公式見解を示すものではありません。

耳を傾けると多くのものが聞こえてくる

世界保健機関(WHO)は、世界中のあらゆる保健および精神保健提供者が用いる疾病分類の共通システム、すなわち 国際疾病分類(ICD)の改訂に焦点を当てている。ICDの構造、構成、内容は全て開発中である。精神および行動の障害の章の改訂手順には科学的な研究プログラムが必要であり、臨床の場で活躍する心理士や精神科医を、形成的かつ総括的な臨床実地試験である調査に参加させている。12500名以上の精神保健専門家が世界中でGlobal Clinical Practice Networkに参加しており、このネットワークを通して研究が行われている。ここで重要なことは、分類システムの改訂および改良の過程のごく最初から、WHOは臨床家に対し様々な態度と感謝をとっていることである。分類に関するトップダウン型の“専門知識”の押し付けというよりも、WHO ICDが用いた方法は世界中の臨床家とともに作業することであり、それにより彼らの認識や臨床で目の当たりにするものが機敏に反映されることを目的としていた。我々はこれらの臨床家に協力を求めるため、“専門知識”から作られた診断システムを単に押し付けないために、拒否的な批判も取り入れてきた。もちろん、WHOの方針は多様な科学的方法論で精神保健の専門家に耳を傾けることであるので、専門知識も含まれている。 人は、自身の患者に起きていることを理解するために話を聞き観察する訓練を受けた臨床家の話を聞くことから、多くを学ぶことができる。耳を傾けることにより、実践の場にいる臨床家が観察し彼らの需要に応じた分類システムを作る作業を重んじている。