WHOの精神保健及び物質乱用部門では、2010年からICD-11の進行についての情報を提供するためにインターネットに基づく研究を行い、同年にGlobal Clinical Practice Networkを設立した。今日まで、GCPネットワークにはWHO global regionのすべての地域にわたる145か国から12,300人以上のメンバーが参加し、ICD-11に関連する12の他言語研究に参加することで、ICD-11に寄与してきた。GCPネットワークにより、精神保健サービスを提供する臨床家の中で、特に低・中所得国の専門家が多く参加し、世界中でインターネットに基づく研究を行うことが可能だということが明らかに示された。GCPネットワークの臨床家から30,000以上の回答があり、その研究結果は次々に専門誌に掲載されている。 peer-reviewed literature.
ICD-11を開発、実行し、その他の臨床的な、また専門的なニーズを満たし、さらにネットワーク内でのインターネットアクセスの障害や促進要因の調査のためにインターネットを使用することに関し、GCPネットワークの能力や関心をどのように高めたら良いか、詳細な情報を得るため、2015年に臨床現場におけるテクノロジーの利用に関する調査を行った。
調査時点で、調査で使用可能な5言語のうちの1つを用いて参加対象となったGCPNメンバーは10,070名だった。2,561名のGCPNメンバーが調査を完了した;そのうち908名が英語、389名がスペイン語、360名が中国語、342名がフランス語、300名がロシア語、262名が日本語で参加した。
平均年齢:45.78歳(SD; 11.4歳)
職業経験の平均:15.88年(SD; 10.88年)
男女比:男性58.1%:女性41.7%
1.
AFRO地域の参加者の45%が、費用によって自宅でのインターネットの使用が制限されると答えたのに対し、SEARO地域の参加者は28.6%、AMRO-North地域の参加者は6%だった。
インターネット接続が遅いか不安定で、費用がバリアになる地域に住んでいるGCPNメンバーに対しては配慮が必要である。これには、調査の長さ(接続が遅く不安定な地域では調査が短いほど扱いやすいかもしれない)や、共有しダウンロードできるコンテンツ(写真、PDF、ビデオファイルなど)のファイルサイズに特に注意することが含まれる。最後に、メンバーが調査を開始してから接続が中断されても、接続が再開したら同じ場所から調査を再開できるように、調査のプラットフォームを間欠的な接続でも使えるものにするべきである。
2.
Laptop and desktop computers were the most commonly used devices to access the internet, however, the majority of respondents also reported accessing the internet using a smartphone, tablet, or other mobile device. It may be useful to consider formatting future surveys and any web content for mobile devices, such as tablets and smartphones running iOS and Android.
2.
ほとんどのGCPNメンバーはすでに臨床現場で様々な方法でインターネットにアクセスしており、まだ使用していないメンバーもそれに関心を持っている。たとえ現在モバイル端末を持っていないか、モバイル端末にアクセスがなくても、ほとんどのメンバーが、ICD-11が完成したらタブレットやスマートフォンアプリでICD-11にアクセスすることに関心を持っている。患者がメンタルヘルスアプリを使うことを提案しているのはメンバーの15%のみである。患者に提案されたアプリは、マインドフルネス、睡眠サイクル、リラクゼーション、認知トレーニング、CBTのアプリである。スマートフォンやタブレットは世界中で増えているが、患者が使用するアプリは厳密に評価されなければならない。